2011/2/28-3/6の空模様。


「懇意にする」などの「懇」は、
まこと
まごころ
という意味を持った字です。
この「懇」の、上の部分には
「ふみとどまる」
という意味があるそうです。


時間の流れの中に人もものも流れ去ってしまい、
人々は驚くほど簡単に、
少し前に起こったことを忘れてしまいます。
目の前の変化に心を奪われて
いかに早く走り抜けるか、ばかりに
日々汲々としているように見えることもあります。


そんななかで
「ふみとどまる」
ことは、どんな意味を持っているのでしょうか。
時間の中でふみとどまる
流れ去ってしまうものの前で一人、ふみとどまる。
過去からずっと続いてきている物語を忘れないこと、
自分が拘ってきたことを置き去りにしないこと。
時に
「なんとなくもやもやした不安を吹っ切れない」
「迷いの中にあって先に進めない」
と感じている人は、
過去を切り離すことが下手なのではなく
過去を認めることが下手だ、という場合があります。
目をつぶって置き去りにしようとするからこそ、
それに取りすがられてしまうのです。
ふみとどまって過去のほうを振り返れば
ちゃんと話をして、解り合って
自然に、恐怖心や自信のなさなどから卒業できることもあります。


「懇」には「ふみとどまる」が含まれていますが
「愛」には、「ふり向き見る」という意味が含まれているのだそうです。
人が人を個人としてほんとうに大切にするとき、
ちょっとだけ、時間は止まるのかもしれません。