2013/12/2-12/8の空模様。

こんにちは、石井ゆかりです。
アイソン彗星、残念なことになってしまいました!
でも、一時は「消滅」と言われていたのですが、
どうも、微かに残ってるみたいで、
不思議な余韻と希望を残してくれています。
くわしくはこちらこちらなどをどうぞ。
「消滅か!?」というニュースが流れてから何となく、
多くの人がアイソン彗星を「擬人化」しはじめたように感じられました。
彗星を旅人と感じたり、人の一生のように捉えたり、
人間はおよそどんなものにも心を寄せ
「自分と同じような存在なのではないか」
と想像する力を持っているのだなあと思います。
人間の内なる攻撃性や生命力といったものは
排除や攻撃という激しいエネルギーを発揮することもありますが
その一方で、
「どんなものでも、自分と同じようなものなのではあるまいか」
と想像する力を授かったということは
不思議な、奇跡のような「恵み」とも感じられます。


彗星は星占い的にはどうなのよ
というハナシは、
この辺りに書きました。
さらにもう少しつっこんだ話は、こちら(初月無料)で読むことができます。
これは非常におもしろくて、私も勉強になる事がたくさんあったので、
是非ご一読頂ければと思います。
もとい、
ホロスコープは「時計」のようなもので、
12星座(というか、恒星の世界)は「時計の文字盤」、
星(太陽系の惑星、太陽、月、冥王星)は「時計の針」という位置づけになっています。
彗星というのは、古来色々な解釈があって、
もっとも古典的なものは「気象と同じレイヤー」という考え方です。
つまり、雲みたいなもん、ということですね。
なので、根本的にそんなに重視されるべきものではない
というような態度がまず、あります。
そしてその一方で、あの不思議な、不可解な形は
人の心になにか「まがまがしいもの」を感じさせたと見えて、
彗星がくると「災害や政変など、禍が起こる」と解釈した例も多々、あります。
「わけのわかんないもの」イコール「こわい、やばい」というのは
古今東西、変わらない人間の反応なんだなあ…と思います^^;)
もとい。
彗星というものが、太陽系をとりまく「オールトの雲」あたりからやってきて、
太陽に惹かれてぐーんと旅をして、
そのままぐるぐる周回するものもあれば
途中で消えてなくなったり、どこかへいってしまうものもある
という意味で、
「気象とおなじレイヤー」とはもはや、考えづらいと思います。
星占いの世界にはもちろん、いろんな立場の人がいますが、
その中のひとつに
「意識化されているかどうか」
が非常に重要だ、という説があります。
それはどういうことかというと、
たとえば、冥王星海王星天王星は望遠鏡が発明され、天文学が大いに発展した後に
「予測」され、その後「観測」されて発見されました。
つまり、その時点まで、私たちはこの三つの星の存在を意識していなかったわけです。
発見後、意識化されたのです。
よって
「この三星が見つかり、広く知れ渡るより前は、ホロスコープ土星までで考えるべきで、
発見後のみ、この三星を読むことが有効」
という考え方が成立する、というわけです。
これはあくまで「考え方」なので、
古い時代のチャートに冥王星を書き込んで解釈する場合も多々、ありますし
逆に、そもそも星占いのシステムに含まれていなかった三星はいまでも省くべき
という立場の人々もいます。
私個人としては
「星占いは科学の世界じゃないから、どれが正しくてどれが間違い、みたいに
勝負しなくてもいいよね、それぞれに味わい深くて面白いよね」
と思っています。
そういうスタンス
(たとえば、いろんなハウスシステムで有名人のチャートを解説してみて、全部「なるほどなるほど」みたいなの)
の教科書も実際、たくさんあります。
で、話を元に戻しますと、
このような立場に立ちますと、
彗星は古代には「気象レイヤ」だったけれども、
今はそうじゃなくて立派に「太陽系レイヤ」ということが解っているので、
これは十分「星占いの時計の針」として使用可能ではないか!
と言えるわけです。
では、彗星はどんな「時計の針」なのかというと、
普通の、部屋にある時計をご覧ください。
この時計に、ある日いきなり、
針が一本増えていたとします。
そして、その針独自のスピードで動いていたとします。
どうでしょう。
私なら多分、びっくりします。
なにかその針が示すような時間が今、
うごいてるんだ!
という感じになるだろうなと思います。
私がたまに使う「特別な星の時間」という言葉が
別な意味でぴったり当てはまる感じがいたします。
突然出現する、新しい時間の針。
そこには、計算も予測もされなかった「別のもの」が闖入し、
運命を変える力を持つ、というイメージが湧いてきます。


先にご紹介しましたメールマガジンの後半に出てくるのですが、
鏡リュウジさんは「オーメン・ファクター」という言葉を使われました。
ホロスコープの世界は、計算可能な、
完全に規則的な世界です。
古い時代にはこの「完全に計算可能な規則性」がすなわち、
「神の世界」のイメージと結びつけられていました。
私たち人間の住む世界は、曖昧で、あやふやで、ノイズが多く、
予測不可能なことに満ちあふれています。
ですが、星の世界はそんな地上の世界とは違い、
神々の叡智にしたがった、美しい規則の世界だ、というのです。
そして、その「完全な規則的世界」と、私たちの住む地上の世界も
「照応」関係にあり、星の世界のルールの配下にある、ということになっています。
ですが、こう考えると
「運命は完全に決まってしまっていて、動かせないのか?」
という疑問が生まれます。
現代でも「運命は決まってしまっているのですか?」という問いが
完全に解決されることはないように思われます。
星の世界が完全な規則で出来ているならば
全ては決まってしまっていて、私たちはなにもできないのか。


彗星は、そんな規則の世界に現れる「闖入者」です。
つまり、彗星は、「完全に決まってしまっている(かもしれない)未来」に
突如として風穴を開け、不均衡を創り出すことができるのです。
星の世界もまた「決定」してしまっているわけではないし
私たちの世界も、すべて予想可能なことで埋め尽くされているわけではない
ということを、彗星が示してくれるのではないか、というわけです。
こうした、計算不能な「オーメン(予兆)」を示してくれる存在が彗星なのだ、
という考え方があるのですね。


しかし。
今回のアイソン彗星は、大方の予測を裏切り(ぐるっと回って戻ってきた感じですが(笑)、
微かに残っているという話もありますが
当初期待されたような長いしっぽを持った、昼でも見えるほど明るい彗星になる!
という件は、もう、ナシのようです。
とても残念ですが、
今回のアイソン彗星が「天文学者の予想を超えた現象となった」ことは、
これもまたひとつの「オーメン」なのかもしれません。
私たちが彗星を待ち望むのは
予定調和の決まり切った世界に
何か度肝を抜くような、異常な出来事が起こらないか!
という期待を映し出しているような気がします。
計画され、見通しのついている世界に、私たちは
「わけのわからないもの」が訪れてくれないだろうか
と期待しているわけです。
「安心・安全・安定・幸福」を求める一方で、
私たちはそれらをかき回して私たちを不安にするような
トリックスターを待ち望んでいるということなのかもしれません。
たくさんの人の期待を集め、そこで「消えて」しまった彗星。
私たちが密かに望んでいるものを
彗星がちらりと教えてくれたという気がします。


アイソン彗星が消滅したのは、ホロスコープの上では、
太陽にまつわりついていた分けなので、射手座の入り口くらいの場所です。
来年の年末、ここに土星が入っていきます。
蠍座から射手座のあたりで一番大きく見える」ことが
私にとっては、とても印象的に感じられました。
元々の星占いの世界で、もっとも「外側」の星は、土星です。
その土星の外側にあるオールトの雲からやってきて、
土星がちょうど来年イングレスする位置で一番大きく見えるということは
なにか「未来をちらりと見る」ことに通じるものがあるのでは!
と、個人的に考えたのです。
もちろん、これは私の「感想」に過ぎません。
でも、星を時計の針として考えるなら、
もともとの仕組みの中で最も長い時間を刻む針がこれから向かう場所に、
その星がめぐり、そしてそこで言わば「足を留めた」ことは
来年末から再来年くらいに起こる事の「萌芽」がすでにここにあり、
それをあらかじめ「チラ見」することで
私たちに物語の変更も可能だという事を教えてくれているのだとしたら…
と、夢想した次第です。
たとえば、世の中で起こったことのなかでは
中国の「防衛識別圏」の件、また、ボスフォラス海峡の地下鉄開通、
10月前半の、アメリカでの政府機関の混乱などが印象的でした。
蠍座は8室のナチュラルサインで、マンデンでは国際経済などが管轄です。
射手座は9室のナチュラルサインで、グローバリズムや思想、大規模な交通を受け持ちます。
この二星座の「境界線」の彗星は、一連の出来事となんとなく「符合する」感じがします。



私たち個人の生活の中でも、この2ヶ月、更に言えばこの一年を振りかえってみて
「普段とは違う」と感じられる出来事
どこか未来を先取りしたような出来事
があったかなあ、と探してみると
何か分かることがあるかもしれません。
私個人にしても、そういえば
この2ヶ月はなにかこう、自分自身が彗星じみた動きをしていたなあ…とか
思ったり思わなかったり(爆
とにかく、2,3ヶ月の中で本をこんなに何冊も出すとかいうことだけでじゅうぶん
コメットチック
だったかなあ、と思います。
たぶんこの先、アイソン彗星とあわせて
この出版ラッシュのことを思い出すんじゃないかと思います。
そして、とりあえず
「消滅」しないように頑張りたいと思います!(どーん)



前置きが長くなりましたが(ここまでまえおきか!)
今週の空模様ですね。
彗星崩壊の直後の今週は、なんとも
「扉」チックなタイミングです。
というのも、射手座の新月があり、
10月からずっと蠍座にいた水星がとうとう射手座に移動し、
さらに、火星も週末、天秤座へと足を踏み入れるからです。
火星はこの8日から来年の7月26日まで
ずっと天秤座に滞在します。
火星が長期滞在するときは、いつもより少し大きく見えるのです。
存在感を増す、面白い時期です。


火星は来年前半、ずっと天秤座に滞在し、
すでに山羊座入りした金星も、
3月頭までずっと山羊座に居ます。
つまり、琴詩から来年の前半にかけてつくられる
山羊座金星・天秤座火星体制」
がここで、ばしーんと形成されたことになります。
天秤座の支配星は金星で、山羊座の支配星は土星で、蠍座の支配星は火星と冥王星です。
つまり、この三星座で、力が濃厚にぐるぐる回ることになります。
これはなんとなくこう、どろどろの権力闘争、みたいな雰囲気もあって
どろどろだけじゃなくてけっこう鉄火な感じもあって
なかなか、タフでパワフルなムードになって参ります(汗
特に、来年前半何度か強調される活動宮のTスクエアやグランドクロス
これを「カーディナル・クライマックス」と呼んだりするようですが、
大変パンチの効いた形とされています。
ごくプレーンな意味で「天地がひっくり返るような」雰囲気の、
新しい世界にぶっこんでいくようなかたちです。
とはいえ、私が「天地がひっくり返る」と書くとき、
そこでは結構スケールの小さな事をイメージしてる部分もあります。
というのも、個人の生活の範囲でいきますと
ホロスコープの「天」は社会的立場やキャリアで
「地」は住処とか、居場所とか、家族とかになるわけです。
たとえば、仕事で遠い場所に赴任することになれば
居場所も当然、変わります。
逆に、守るべき家族を得た人が、
仕事に対して貪欲になっていく、ということもあり得ます。
「天(社会的対外的な居場所)」と「地(個人としての居場所)」が
連動して、ぐるん!と勢いよく動く、
というイメージで「天地がひっくり返る」みたいな言い方をしてしまうわけですね。
ホロスコープをご存じの方であれば、このイメージは何となくご理解頂ける家と思います。
天底は「自分がいる場所」で、天頂が「社会的な立場」です。
それぞれに星が着たらオポジションになります。
これに「自分自身(ASC)」と「人間関係(DSC)」が加われば
アングルのグランドクロスになります。
アングルのナチュラルサインはカーディナルですから、
「天地がひっくり返る」感じがじわっと湧いてくるわけです。


なんだか今日は勢いがついてしまって
長々しくて済みません。。

つまり、今週は、
過去2ヶ月ほどの物語の「出口」であり、同時に、
来年前半のカーディナル・クライマックスへの入り口である
ということで、
「扉の時間」
と言えるんじゃないかと思います。
さらにいえば、アイソン彗星の崩壊もひっくるめて
「扉の時間」が強調されているようにも思われるわけです。


今週はそんな感じです。


【 星の配置(おおまかに) 】


 太陽:射手座9-16度
 月:蠍座→射手座→山羊座水瓶座魚座(3日9:23射手座10度付近で新月
 水星:蠍座24-射手座5度
 金星:山羊座21-25度
 火星:乙女座26-天秤座0度(8日5:42イングレス)
 木星:蟹座19-18度(逆行)
 土星蠍座17度
 天王星牡羊座8度(逆行)
 海王星魚座2度
 冥王星山羊座10度
 ドラゴンヘッド蠍座7度
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 【月のボイドタイム】
  12/2 10:35-15:32
  12/4 12:46-15:50
  12/6 14:33-15:54
  12/7 21:12 - 12/8 17:35

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